挑戦するエンジニアたち ヒストリー【12-5】 和智 右桂 氏

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ユーザー企業こそ本気で取り組むべきなのがDDD

改めて、ドメイン駆動設計について教えて下さい。

エンジニア写真本としては今でも売れ続けているし、言葉を知っている人は増えてきたと思っています。でも、SIerがやることじゃないかもしれないとも思います。本気で取り組むべきはむしろユーザー側でしょう。そういう意味では、ユーザー企業への知名度はたぶんまだ低いですね。

ドメイン駆動設計が言っているのは、業務をきちんと「モデリング」しましょうということです。エンジニア主体の企業であれば、自覚的かどうかは別にして、少なくともある程度はできていることだと思っています。

反面、一般のユーザー企業ではやはり、基本はベンダーに依頼して、昔ながらの機能一覧を作って、それに対する見積もりをして、というやり方になってしまっているのではないかな、と思います。ITを柔軟にすることが経営にとって大事。そういう価値観が浸透していない企業にとっては、取り組みにくいところですよね。

ドメイン駆動のコツは?

ふたつあると思います。ひとつは、本質的にはコードをどう書くか、という話では「ない」、ということです。むしろ、境界をどう設定するかといった構造を考えることが大事、ということですね。そうやってモデルを作ってシステムの境界、機能の境界ができたときに、その境界に照らしあわせたソフトウェアの構造にすることが大事です。そういう構造がしっかりしていないと、部分的にコードだけきれいに書こうとしてもどこかで苦しくなると思います。

それを前提としたうえでもうひとつ大事なのは、モデリングをするなら、ちゃんと動かすところまでやるということです。ざっくりモデルを書いたら、あとは開発者に投げるということではなく、きちんとそのモデルを動かし切るようにするにはそれなりの労力とプロセスが必要なはず。それをきちんとやる、と。整合性がとれなかったりすることもあるので、当初の構想を維持しながらそういうつじつま合わせまできちんと面倒を見る。そんなに簡単じゃないので、しっかりやることが大事です。

ポイントは「変化」だと思います。柔軟に作る理由って、変化に耐えうるためじゃないですか。でもそれって、変わっていくところと変わっていかないところがあるはず。変わっていくところはどこなんだ?どういうふうに変わっていくのか?というのを考えた上での構造にしないといけない。ただ柔軟にすればいいってものでもないんです。柔軟にすればするほど、複雑さも増していくので。Ericは野球のミットに喩えていました。ミットって、ガチガチに硬かったらボールが取れない。でも全部柔らかかったら、ボールを取るときに痛い。だから、皮の硬いところと柔らかいところがあって、それをうまくつないでいる。構造設計ってそういうことだと思うんです。変えられるものと変えられないものがあると思うので、それを意識するということですね。

物事を俯瞰する「大局観」

最後に、50歳になったときのビジョンってありますか。

エンジニア写真経験含めて、見えるものが広がっていけばいいと思っています。ものの捉え方とか。会社とか、経営といった視点でものが見られるようになりたいですね。また将棋の話になりますが、「読み」と「大局観」に関する羽生さんの面白い言葉があるんです。

羽生さんが、七冠時代の自分と今の自分が戦ったらどっちが強いか、と聞かれたことがあります。その答えなんですが、「読む力」は当時に比べると衰えている。でも、ある局面を見た時にその状況を「判断する力」は、今のほうがあるといった回答をしていました。

羽生さんと比べるのはおこがましい話なんですが、自分も年齢とともに失っていくものがあると思っていて、コードをまとめて書く集中力とか、一つのものに専念する力とか、記憶力とかも衰えていると思います。反対にプロジェクトの状況をみて、何をやればよいのか、とかは昔よりはるかにわかるようになってきている。でも、その判断は自分のいる立ち位置から俯瞰で見ているにすぎないんですよね。もっと上の立ち位置で見れば、また違ったものに見えるかもしれない。その状況の中で自分が最善だと思っていたものが、もっと上の立場からすれば、何やってるんだと思われるような判断ということだってあるでしょう。極論すれば、あるものを一生懸命作っていても、経営者からすれば「そんなもの作らなくたっていいよ」ということだってあるのだと。

そういう、物事を俯瞰する大局観みたいなものがもっと広がっていたらいいと思いますね。

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取材日:2015年11月12日

株式会社ハピネット株式会社ハピネット

私たちはハピネス・ネットワーキングを展開し、エンタテインメント・スタイルの創造により人々に感動を提供し、夢のある明日をつくります。

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出版社: 翔泳社
発売:2015年10月01日

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